相続した実家を売る流れ|遠方に住んでいても進められる査定・売却の手順と、現地に行くタイミング

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住む人がいなくなった実家を、売る。そう決めるまでにも時間がかかったのに、決めたとたんに手が止まってしまう。何から始めればいいのか、何回帰省すれば売れるのか。実家まで片道何時間もかかり、帰れるのは年に数回という人にとって、一番の不安はそこだと思います。

調べていくと、相続した家の売却手続きは、多くを郵送やオンライン、司法書士への依頼で進められることが分かりました。現地に行く必要がある場面も、思っていたより限られています。名義の変え方から、売却の流れと帰省のタイミング、仲介と買取、家財が残っているときの順番、税金の特例の期限まで、順に確認できるように整理しています。

まだ「売るかどうか」から迷っている場合は、空き家になった実家を放置するリスクと、管理・売却・解体の選択肢を先に読むと、全体像がつかみやすいはずです。

  1. 売る前に確認したいこと|相続した実家は「名義を変えてから」売る
    1. 親の名義のままでは売れない(相続登記が先)
    2. 誰の名義にするか、兄弟姉妹で先に決めておく
    3. 相続登記は遠方からでも申請できる
    4. 相続放棄を考えている場合は、売る前に立ち止まる
  2. 相続した実家を売る流れと、現地に行く必要があるタイミング
  3. 遠方から実家の売却を進める手順
    1. ①まずはオンラインで机上査定を複数社に依頼する
    2. ②訪問査定は、帰省の日にまとめて受ける
    3. ③媒介契約を結ぶ(3種類の違いと、遠方なら確認したいこと)
    4. ④販売活動と内覧は、鍵を預けて任せる
    5. ⑤売買契約は「持ち回り」や代理で立ち会わずに結べることがある
    6. ⑥決済・引き渡しは司法書士に任せられる
  4. 仲介と買取、どちらで売る?
    1. 仲介が向いているケース
    2. 買取が向いているケース
    3. 仲介手数料の目安と、安い空き家の特例
  5. 家財が残っている場合は、どの順番で進める?
    1. 遠方から家財の片付けを頼むなら
  6. 実家を売ったときにかかる税金と、使える特例
    1. 利益が出たら「譲渡所得」に税金がかかる
    2. 相続空き家の3,000万円特別控除|売却スケジュールに関係する期限
    3. 相続税を払った人は「取得費加算の特例」も選べる
    4. 売った翌年に確定申告をする
  7. 一括査定サービス・買取サービスを使うときに気をつけたいこと
  8. よくある質問
    1. Q. 親の名義のままでも、査定は受けられる?
    2. Q. 一度も帰省せずに売ることはできる?
    3. Q. 兄弟の1人が売却に反対している場合は?
    4. Q. 古い家でも売れる?解体したほうがいい?

売る前に確認したいこと|相続した実家は「名義を変えてから」売る

親の名義のままでは売れない(相続登記が先)

最初につまずきやすいのがここです。不動産の売買では、登記簿上の所有者が売主になって買主へ名義を移すため、亡くなった親の名義のままでは売れません。まず相続人の名義に変える「相続登記」が必要です。

相続登記は2024年4月1日から義務になり、相続を知った日から3年以内(2024年4月より前の相続で未登記なら、原則2027年3月31日まで)に申請する必要があります。正当な理由なく怠ると過料の対象になりえます。

なお、「自分が相続人です」と申し出るだけの「相続人申告登記」という簡易な手続きもありますが、名義は移らないので売却には使えません。

誰の名義にするか、兄弟姉妹で先に決めておく

遺言がなければ、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決めます。売ることが前提なら、選び方は大きく2つです。

  • 代表者1人の名義にして売り、売れたお金を分ける
  • 兄弟姉妹の共有名義のまま、全員が売主になって売る

共有名義でも売れますが、契約や決済のたびに全員の署名・実印・本人確認が必要です。兄弟がそれぞれ別の県に住んでいると、書類のやり取りだけで何週間もかかることがあります。遠方同士なら、窓口役を1人に決めておくだけでも進めやすくなります。

売ったお金を分ける前提の分け方を「換価分割」と呼びます。協議書の書き方や、分け方によって贈与税の問題が出ないかは、司法書士や税理士に確認しておくと安心です。

相続登記は遠方からでも申請できる

申請先は、自分の住所ではなく実家の所在地を管轄する法務局です。窓口への持参のほか、郵送やオンラインでも申請できると法務局が案内しています。

戸籍集めから司法書士に頼む方法もあります。遠方の場合に便利なのは、同じ司法書士に、そのまま売却の決済(代金の受け取りと名義変更の手続き)まで頼みやすいことです。

相続放棄を考えている場合は、売る前に立ち止まる

親の借金などを理由に相続放棄を考えているなら、実家を売るのは待ってください。相続した財産を売ると、相続を認めたとみなされ、放棄ができなくなるおそれがあります。迷っている場合は、先に家庭裁判所や弁護士に相談を。

相続した実家を売る流れと、現地に行く必要があるタイミング

全体を一覧にすると、次のようになります。遠方に住む人が一番気になるのは「現地に行く必要」の列だと思います。

ステップ やること 現地に行く必要 遠方からの進め方 期間の目安
1 相続人・遺産分割の確定、相続登記 原則なし 郵送・オンライン申請、司法書士に依頼 数か月(戸籍の収集や話し合いの進み具合による)
2 査定(机上査定→訪問査定) 訪問査定は立ち会いが望ましい 机上査定はオンライン・電話で。訪問査定は帰省日にまとめる(鍵を預けて対応する会社もある) 数日〜数週間
3 媒介契約(仲介の場合) なし 郵送、または電子書面 —
4 販売活動・内覧 なし 鍵を不動産会社に預け、定期報告を受ける 数か月(地域・物件による)
5 売買契約 なしにできる場合あり 持ち回り契約(郵送)、代理人 —
6 決済・引き渡し なしにできる場合あり 司法書士・代理人に任せる 契約から1か月前後が多い
7 確定申告 なし e-Tax、郵送 売った翌年の2月16日〜3月15日

期間はあくまで目安で、物件の場所や状態によって大きく変わります。どうしても現地に行きたいのは「訪問査定」と「家財の確認・片付け」くらいで、ほかのステップは、会社と方法の組み合わせ次第で帰省の回数を減らせます。

遠方から実家の売却を進める手順

①まずはオンラインで机上査定を複数社に依頼する

地元を離れて何十年もたつと、実家のある町の不動産会社はまず知りません。どこに電話すればいいのか分からず、ここで手が止まる人は多いと思います。

査定には、住所・面積・築年数などから概算を出す「机上査定(簡易査定)」と、担当者が実際に家を見る「訪問査定」があります。遠方なら、まず机上査定で相場観をつかんでおくと、帰省前に判断材料をそろえられます。

地元の会社を1社ずつ探すのが難しければ、複数の会社に一度に査定を依頼できる「一括査定サービス」も選択肢です。実家の地域の会社にまとめて当たれて、査定額や対応を比べやすいのが利点です。一方で、申し込むと複数社から電話やメールが来ますし、地方の物件では対応できる会社が少ないこともあります。「連絡はメールで」など、希望を備考欄に書いておくと安心です。合わない会社は断ってかまいません。

査定の前に、次の書類があると話が早く進みます。

  • 固定資産税の納税通知書(課税明細書)
  • 登記事項証明書(法務局で取得。オンライン請求も可)
  • 建てたときの図面や、親が買ったときの売買契約書(あれば)

どれも親の書類の中に眠っていることが多いものです。遺品整理で処分してしまわないよう、先に探しておくと後で助かります。

②訪問査定は、帰省の日にまとめて受ける

机上査定で2〜3社に絞ったら、同じ帰省の日の午前と午後に分けて訪問査定を受ければ、1回の帰省で済みます。鍵を預かって立ち会いなしで査定してくれる会社もありますが、対応は会社ごとに違います。境界があいまい、昔雨漏りした、といった家の事情は、親から聞いていた話をメモにして渡すと査定がぶれにくくなります。

気をつけたいのは会社の選び方です。査定額は「この価格なら売れそう」という不動産会社の見立てで、その価格で売れることを約束するものではありません。会社によって差も出ますし、いちばん高い査定額の会社がいちばん高く売ってくれるとは限りません。見たいのは金額の高さより、次の点です。

  • 査定額の根拠を、近所の成約事例などで説明してくれるか
  • 実家のある地域での売却実績があるか
  • 遠方の売主への対応(連絡手段、報告の頻度、鍵の管理)がはっきりしているか

③媒介契約を結ぶ(3種類の違いと、遠方なら確認したいこと)

仲介で売る場合は、不動産会社と「媒介契約」を結びます。種類は3つで、宅地建物取引業法でルールが決まっています。

種類 他社にも依頼 自分で見つけた買主と取引 有効期間 レインズ(不動産会社間の物件情報網)への登録 売主への報告
一般媒介 できる できる 法令上の上限なし(3か月以内が一般的) 義務なし 義務なし
専任媒介 できない できる 3か月以内 契約から7日以内 2週間に1回以上
専属専任媒介 できない できない 3か月以内 契約から5日以内 1週間に1回以上

※登録期限の日数は、不動産会社の休業日を除いて数えます。

遠方の売主は、売り出し後の様子を自分の目で確かめにくいのが悩みどころです。買い手の多い地域なら一般媒介が合う場合もあり、どれが正解というより、「放っておかれない仕組みがあるか」で選ぶのが遠方向きの考え方です。

契約書類の受け取りも心配いりません。2022年5月18日施行の法改正で、媒介契約書や売買契約書は、本人の承諾があれば電子書面で受け取れるようになりました。

④販売活動と内覧は、鍵を預けて任せる

購入希望者の内覧は、不動産会社が立ち会うのが一般的です。鍵を預けておけば、売主がその場にいる必要はありません。定期報告では問い合わせ件数・内覧数・反応を聞き、反応が薄いまま時間がたつようなら、3か月をひとつの目安に価格の見直しを相談します。売れるまでの換気や見回りは、売却を任せた不動産会社が有料で引き受けてくれることもあります。

⑤売買契約は「持ち回り」や代理で立ち会わずに結べることがある

売買契約は関係者が同じ場に集まるのが一般的ですが、遠方の場合は、契約書を郵送でやり取りしてそれぞれ署名・押印する「持ち回り契約」で進めることがあります。

売主側で準備するのは、家の状態を伝える書類(付帯設備表や物件状況報告書など)への記入です。親から聞いていた不具合は、正直に書いておきましょう。引き渡し後に契約内容と違う不具合が見つかると、売主が責任(契約不適合責任)を問われることがあるためです。古い空き家では、この責任を負わない特約を付けることもあります。

家族などを代理人にする場合は、委任状(実印を押し、印鑑証明書を添える)で任せる範囲をはっきりさせ、価格や条件は本人が事前に決めておくのが基本です。持ち回り契約や代理への対応は会社によって違うので、①の査定依頼の段階で聞いておくと慌てずに済みます。

⑥決済・引き渡しは司法書士に任せられる

決済の日には、残りの代金の受け取り、名義変更の書類の受け渡し、鍵の引き渡しをまとめて行います。売主が同席できない場合は、事前に司法書士が売主本人と面談して本人確認をし、書類を預かっておく、代理人が出席する、といった方法がとられることがあります。運用は司法書士や不動産会社によって異なります。

引き渡しまでにやっておくことは次のとおりです。

  • 家財の撤去(仲介の場合は、空にして引き渡すのが一般的)
  • 電気・ガス・水道の解約
  • 固定資産税の精算(引き渡し日を境に、買主と日割りで精算するのが一般的)

仲介と買取、どちらで売る?

査定を頼むと、「うちで買い取ることもできますよ」と言われることがあります。買い手を探してもらう「仲介」と、不動産会社(買取業者)に直接買ってもらう「買取」を比べると、次のとおりです。

仲介 買取
買い手 一般の個人など 不動産会社(買取業者)
価格 市場で決まる。買取より高くなりやすい 仲介より低くなる傾向
売れるまでの期間 数か月〜(売れない期間が続くことも) 短い傾向
仲介手数料 かかる 原則かからない(業者が直接の買主の場合)
内覧対応 必要(鍵を預けて任せられる) 原則不要(業者の確認のみ)
家財が残ったまま 原則として片付けが必要 そのまま引き取る業者もある
引き渡し後の責任 契約不適合責任の取り決めが必要 免除の特約が付くことが多い(業者・契約による)

仲介が向いているケース

駅や市街地に近い、建物の状態が比較的よい、売却を急いでいない。こうした実家なら、時間をかけて買い手を探す仲介のほうが、手元に残るお金は多くなりやすいです。

買取が向いているケース

次のような事情があるなら、買取も比べてみる価値があります。

  • 築年数が古く、一般の買い手がつきにくそう
  • 遠方で、内覧の段取りや空き家の管理を続けるのがつらい
  • 家財が残ったまま手放したい
  • 後で説明する3,000万円特別控除の期限までに、確実に売りたい
  • 相続人みんなで早く現金に換えて分けたい

価格は仲介より下がる傾向があるので、「早さ・手間の少なさ」とのトレードオフです。仲介で一定期間売り出し、売れなければ買取に切り替える順番もあります(その場合に買い取る「買取保証」を付ける会社もあります)。

仲介手数料の目安と、安い空き家の特例

仲介手数料には法律上の上限があり、売買価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円+消費税」という速算式がよく使われます。

地方の実家で知っておきたいのが、2024年7月1日からの特例です。売買価格が800万円以下の空き家などは、手数料の上限が「30万円の1.1倍(33万円)」まで引き上げられました。価格が低い物件だと、速算式より手数料が高くなることがあります。その場合は、媒介契約の前に不動産会社から説明を受け、合意したうえで適用される仕組みです。

「仲介手数料無料」をうたうサービスもありますが、無料になる条件や対応エリアには違いがあるので、実家の地域が対象かを先に確認してください。

家財が残っている場合は、どの順番で進める?

遺品整理が終わらないと売れない、と思い込みがちですが、査定は家財が残ったままでも受けられます。むしろ先に査定を受けて「仲介か買取か」を決めてから片付けの範囲を決めたほうが、無駄な費用をかけずに済みます。

  1. 机上査定・訪問査定を受ける(家財はそのままでOK)
  2. 仲介で売るか、買取で売るかを決める
  3. 仲介なら:販売開始前(遅くとも内覧が始まる前)に片付け、引き渡しまでに空にする
  4. 買取なら:家財ごと引き取ってもらえるか、処分費がいくら差し引かれるかを確認する。片付けてから仲介で売った場合の手取り(売却額−片付け費用−仲介手数料)と比べると判断しやすくなります

どちらの場合も、形見の品や、権利証・通帳・保険証券といった大事な書類は、業者が入る前に回収しておきましょう。何を残すか迷うときは、遺品整理の全体の流れをまとめたガイドが参考になります。

遠方から家財の片付けを頼むなら

家財の片付けも、立ち会わずに業者へ任せる方法があります。流れは遺品整理は立ち会いなしで依頼できる?流れと注意点に、費用の目安は不用品回収の費用相場と業者の選び方と遺品整理の費用相場にまとめています。

売却の段取りと並行して、片付けの業者を1社ずつ探すのは大変です。ぽいみつは、全国の不用品回収業者にまとめて見積もりを依頼できるサービスで、空き家の片付けや遺品整理にも対応しています。見積もり依頼までは無料と案内されているので、売却の方向が決まった段階で片付け費用の見当をつけておくと、仲介と買取の手取りを比べる材料にもなります。

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遺品整理業者を自分で比べて選びたい場合は、遺品整理業者おすすめ比較8選も参考にしてみてください。

実家を売ったときにかかる税金と、使える特例

ここは概要です。特例が使えるかどうかは、最終的に税務署や税理士に確認してください。

利益が出たら「譲渡所得」に税金がかかる

家を売って利益が出ると、その利益(譲渡所得)に所得税と住民税がかかります。

譲渡所得 = 売った金額 −(取得費 + 譲渡費用)

譲渡費用には、仲介手数料や、売るために行った測量・解体の費用などが含まれます。

ポイントは、相続した家の取得費と取得した時期は、親から引き継ぐことです。親が昔買った家なら、多くは所有期間5年超(売った年の1月1日時点)の「長期譲渡所得」になり、税率は所得税15%・住民税5%、加えて所得税額の2.1%の復興特別所得税です。相続のときに払った登記費用も取得費に含められます。

親がいくらで買ったか分からない場合は、売った金額の5%を取得費にできます(概算取得費)。実際の購入額が分かればそちらが有利なことが多いので、古い売買契約書は遺品整理のときに探しておきたい書類です。

相続空き家の3,000万円特別控除|売却スケジュールに関係する期限

要件を満たすと、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例です。「昭和56年5月31日以前に建てられた家」「相続の直前に親が1人で住んでいた」など要件が細かく、一覧は空き家を放置するリスクの記事の「売却する」の項目にまとめています。ここでは、売る時期に関わる期限と手続きに絞ります。

期限は2つあり、両方を満たす必要があります。

  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 2027年(令和9年)12月31日までの売却であること(制度自体の期限)

たとえば2025年中に親が亡くなった場合、1つ目の期限は2028年12月31日です。ところが制度自体の期限が2027年末なので、今の制度のままなら、特例を使うには2027年末までに売る必要があります。税制改正で延長されるかどうかは、現時点では分かりません。仲介では売れるまで数か月かかることも考えて、逆算して動き出しておくと安心です。

適用には、実家のある市区町村から「被相続人居住用家屋等確認書」を受け取り、確定申告に添付します。郵送で申請できるかは自治体によって異なる可能性があるので、市区町村に確認してください。耐震改修・取り壊しの要件や、相続人が3人以上の場合の控除額も、上の要件一覧にまとめています。

相続税を払った人は「取得費加算の特例」も選べる

相続税がかかった人だけの話です。相続開始の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで(一般に「相続から3年10か月以内」)に売ると、払った相続税の一部を取得費に加えられます。3,000万円特別控除とは併用できず、どちらかを選びます。相続税がかからなかった場合は読み飛ばしてかまいません。

売った翌年に確定申告をする

利益が出た場合や特例を使う場合は、売った翌年の2月16日〜3月15日に確定申告をします。特例は申告しないと適用されません。e-Taxなら、自宅から申告できます。

一括査定サービス・買取サービスを使うときに気をつけたいこと

遠方から売るなら、ネットで申し込めるサービスは心強い味方です。査定額の差や、査定額が売れる価格の約束ではないことは②で、複数社から連絡が来ることは①で触れたとおりです。

もうひとつ知っておきたいのが、地方の物件では対応できる会社が少なかったり、査定を断られたりすることもある点です。その場合は、実家のある地域の不動産会社に直接相談したり、自治体の空き家相談窓口を利用したりする方法もあります。

なお、当サイトは不動産の仲介は行っておらず、特定の不動産会社への取り次ぎもしていません。各サービスの対応エリアや条件は、公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. 親の名義のままでも、査定は受けられる?

受けられます。売買契約や引き渡しまでに相続登記を済ませればよいので、査定と登記を並行して進めるのが現実的です。

Q. 一度も帰省せずに売ることはできる?

方法の組み合わせ次第で、現地に行く回数は減らせます。ただ、ゼロにできるかは不動産会社や司法書士の対応、家財の状況によります。少なくとも一度は、家の状態と残っている物を自分の目で確かめておくと安心です。

Q. 兄弟の1人が売却に反対している場合は?

共有名義の家全体を売るには、共有者全員の同意が必要です。話し合いがまとまらない場合は、弁護士への相談や家庭裁判所の調停といった方法があります。

Q. 古い家でも売れる?解体したほうがいい?

まずは「古家付き」と「更地」の両方で査定してもらうと判断しやすくなります。解体費用の目安や、解体すると土地の固定資産税が上がる点は、空き家の解体・売却について整理した記事で触れています。手間をかけずに手放したいなら、買取も選択肢です。


実家を売る段取りは、並べると長く見えます。でも分けてみれば、現地に行かなければならない場面は意外と少ないものです。気持ちの整理がつかないまま急ぐ必要はありません。ただ、期限のある制度だけは先に確認しておくと、「間に合わなかった」と悔やまずに済みます。税金や登記、契約の細かい判断は、税理士・司法書士・不動産会社・市区町村の窓口などに確認しながら進めてください。

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