空き家になった実家を放置するリスク|管理・売却・解体の選択肢

不用品回収

本記事はプロモーションを含みます。記事内で紹介する一部のサービスにはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由でのお申し込みにより当サイトに紹介料が発生する場合があります。ただし紹介の順序や内容は、報酬の有無によって左右されないよう努めています。

遺品整理や片付けがひと段落して、がらんとした実家の前に立つ。ほっとする一方で、「で、この家はどうするんだろう」という問いが急に現実味を帯びてきます。住む予定はない。でも売るとなると気持ちの整理がつかないし、壊すのももったいない。とりあえず鍵をかけて、しばらくそのままにしておこう——そう考えるのは、ごく自然なことだと思います。

ただ、調べてみて意外だったのは、「とりあえず」の期間にも、お金や責任の面で少しずつ動いていくものがあるということでした。2023年には空き家に関する法律が改正され、以前より早い段階で自治体から指導を受ける可能性も出てきています。ここでは、空き家を放置した場合に起こりうることと、管理・売却・解体という3つの選択肢を、遠方に住んでいる立場から整理しています。

空き家を放置するとどうなる?主なリスク

建物の老朽化・倒壊リスク

家は、人が住まなくなると傷みが早くなるとよく言われます。窓を開けないので湿気がこもり、カビや木材の腐食が進みやすくなります。水道を使わないと排水管のトラップ(下水の臭いを防ぐために水をためている部分)が乾いて、臭いや虫が上がってくることもあります。

劣化が進んだ家は、台風や大雪のときに屋根瓦や外壁が飛んだり、最悪の場合は倒れたりする危険も出てきます。遠方に住んでいると、こうした変化に気づくのがどうしても遅れがちです。

固定資産税が上がる可能性(「特定空家」「管理不全空家」の勧告)

家が建っている土地には、固定資産税を軽くする「住宅用地の特例」が使われているのが一般的です。たとえば200㎡以下の部分(小規模住宅用地)は、固定資産税の計算の基礎となる額が土地の価格の6分の1に抑えられています。

空家法(空家等対策の推進に関する特別措置法)では、倒壊のおそれがあるなど状態の悪い空き家を「特定空家等」として、市区町村が助言・指導、勧告、命令といった措置をとれる仕組みになっています。さらに2023年12月13日施行の改正で、「放っておくと特定空家等になるおそれがある」段階の家も「管理不全空家等」として指導・勧告の対象になりました。

どちらも、勧告を受けるとその敷地は住宅用地の特例から外れます。特例がなくなると、計算の基礎となる額を6分の1に抑える軽減が受けられなくなります。ただ、税額の急な上昇を抑える調整の仕組み(負担調整措置)があるため、実際に納める税額が単純に6倍になるわけではありません。たとえば神戸市は、特例が外れた場合の土地の固定資産税について「一般的には3.5倍程度」と案内しています。土地の評価などによっても変わるので、心配な場合は、実家のある市区町村の固定資産税の担当窓口で確認してみてください。

なお、特定空家等として命令を受けたのに従わない場合は、50万円以下の過料の対象になるおそれがあると国土交通省の資料でも案内されています。

近隣トラブル・害虫害獣・防犯上のリスク

庭木が伸びて隣家に越境する、雑草に虫が集まる、屋根裏に動物がすみつく。空き家まわりの苦情は、こうした「ちょっとしたこと」から始まることが多いようです。郵便物やチラシがたまっていると留守だと一目でわかってしまい、不法侵入や放火といった防犯面の心配も増えます。

ご近所から直接連絡をもらえるうちはまだいいほうで、何年も気づかないまま関係がこじれてしまうのが、遠方の実家では一番避けたいパターンかもしれません。

万一の事故での損害賠償責任

古くなったブロック塀が崩れて通行人がけがをした、強風で飛んだ瓦が隣の車を傷つけた。こうした場合、民法717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)によって、建物の所有者が損害賠償の責任を負う可能性があります。「住んでいないから知らなかった」は理由になりにくいと考えておいたほうが安全です。

空き家になっても火災保険や賠償責任に関する補償が続いているかどうかは、契約内容によって異なります。一度、保険会社や代理店に「空き家になった」と伝えたうえで確認しておくと安心です。

遠方に住んでいても実家の管理はできる?

できます。ただ、「全部自分で」は現実的ではないことが多いので、人に任せる部分と自分でやる部分を分けて考えるのがおすすめです。

空き家管理サービスを利用する

月1回程度、家の外まわりの確認や室内の換気・通水、郵便物の確認などを代行し、写真付きで報告してくれるサービスがあります。費用は、基本的な巡回プランで月5,000円〜1万円前後が一つの目安とされています。室内清掃や庭の手入れまで含めると、それ以上になることもあります。

不動産会社や警備会社、地域の工務店などが提供していることが多く、内容と料金は事業者ごとにかなり違います。「室内に入ってくれるのか」「報告はどんな形か」「台風のあとに臨時で見てもらえるか」は、申し込む前に確認しておきたいところです。

近隣の親族やシルバー人材センターに依頼する

近くに親族がいれば、郵便物の回収や時々の見回りをお願いするのも一つの方法です。ただ、善意に頼り続けると負担が偏りがちなので、交通費や謝礼の扱いは最初に話しておいたほうが気持ちよく続けられます。

地域によっては、シルバー人材センターが草刈りや庭木の剪定、空き家の見回りなどを請け負っている場合もあります。対応内容は地域で異なるので、実家のある市区町村のセンターに問い合わせてみてください。

自分で定期的に通う場合の頻度の目安

自分で通うなら、よく言われる目安は月1回程度の換気・通水です。とはいえ遠方だと毎月は難しいものです。その場合は、梅雨前と台風シーズン後、冬の前など、傷みやすい時期に合わせて帰省し、ほかの月は管理サービスや親族に任せる、という組み合わせ方も現実的だと思います。

実家をどうする?主な3つの選択肢

そのまま保有し管理を続ける

将来自分や家族が住む予定がある、賃貸に出すつもりがある、あるいは気持ちの整理にもう少し時間がほしい。こうした場合は、管理を続けながら保有するのが自然な選択です。

ただし「いつまで持つのか」を決めずにいると、管理費と固定資産税を払い続けるだけの状態になりがちです。「3年後にもう一度家族で話し合う」など、見直しの時期だけでも決めておくと、ずるずる先延ばしにせずに済みます。

売却する

売り方は大きく、建物が残ったまま売る「古家付き土地」と、解体して「更地」で売る方法に分かれます。古家付きなら解体費用をかけずに売りに出せますが、買い手が見つかりにくい場合もあります。更地は買い手の幅が広がりやすい一方、解体費用を先に負担する必要があります。どちらが向いているかは地域や建物の状態によるので、不動産会社に両方のパターンで査定してもらうと判断しやすくなります。

地方の物件で買い手探しが難しそうなら、自治体の「空き家バンク」に登録する方法もあります。国土交通省の事業として、全国の自治体の空き家バンク情報をまとめて検索できる「全国版空き家・空き地バンク」も運用されています。

遠方に住んだまま売る場合の進め方は、相続した実家を売る流れで、相続登記から引き渡しまでの流れと現地に行くタイミングをあわせて整理しています。

また、相続した実家を売る場合には、一定の要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例(相続空き家の3,000万円特別控除)があります。国税庁の案内(令和8年4月1日現在法令等)によると、主な要件は次のとおりです。

  • 2027年(令和9年)12月31日までに売ること
  • 昭和56年5月31日以前に建てられた家であること(マンションなどの区分所有建物は対象外)
  • 相続の直前に、亡くなった方以外に住んでいた人がいないこと
  • 相続してから売るまでの間に、事業・賃貸・居住に使っていないこと(いったん賃貸に出すと、この特例は使えなくなります)
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 一定の耐震基準を満たしているか、建物を取り壊していること(売った後、売った年の翌年2月15日までに耐震改修や取り壊しが行われた場合も対象)

2024年1月1日以後の売却で、家と土地を相続した相続人が3人以上いる場合は、控除額が1人あたり2,000万円までになります。老人ホームに入所していた場合の扱いや、親族への売却が対象外になる点など、ほかにも細かい要件があります。適用できるかどうかは、税理士や税務署に確認してください。

解体する

木造一戸建ての解体費用は、建物本体だけで坪あたり数万円程度が目安とされ、30坪なら100万円前後から150万円程度になるケースが多いようです。ただ、構造(木造・鉄骨・RC)、前面道路の広さ、庭木やブロック塀などの付帯工事、家財が残っているかどうかで金額は大きく変わります。

解体前には、アスベスト(石綿)が使われているかどうかの事前調査が必要です。解体する部分の床面積が80㎡以上の工事では、調査結果を都道府県などへ報告することも施工業者に義務づけられています。取り壊したあとは、1か月以内に法務局へ「建物滅失登記」を申請する必要があります。

気をつけたいのは、更地にすると住宅用地の特例が使えなくなり、土地の固定資産税が上がることです。特例を受けられるかどうかは毎年1月1日時点の状態で判断されます。解体のタイミングは、売却の予定とあわせて考えたほうが無駄が少なくなります。自治体によっては老朽空き家の解体費用を補助する制度もあるので、解体を決める前に一度確認してみてください。

判断に迷ったときに知っておきたい制度・相談先

実家の今後を考えるときに、あわせて知っておきたい制度を挙げておきます。

  • 相続登記の義務化(2024年4月1日〜):不動産を相続したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが義務になりました。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になりえます。2024年4月より前の相続で登記していない場合は、原則として2027年(令和9年)3月31日までが期限です(相続で取得したことを知ったのが2024年4月以降なら、知った日から3年)。売却するにも名義を相続人に移す必要があるので、まだの場合は早めに司法書士や法務局に相談しておくと安心です。
  • 相続土地国庫帰属制度(2023年4月27日〜):相続した土地を、一定の要件を満たせば国に引き取ってもらえる制度です。審査手数料は土地1筆あたり14,000円、承認されると負担金が原則20万円かかります(市街化区域内の宅地などは面積に応じて加算)。ただし建物が建っている土地は申請できないため、実家の場合は解体が前提になります。
  • 空き家バンク・自治体の空き家相談窓口:多くの市区町村で、空き家の活用や売却、解体補助についての相談を受け付けています。

税金や登記、法律がからむ判断は、状況によって答えが変わります。個別のケースについては、市区町村の窓口や税理士・司法書士・不動産会社などの専門家に確認してから進めてください。

遺品整理・不用品回収を終えてから実家の今後を考える人が多い

実家をどうするかという話は、たいてい家の中の片付けが済んでから本格的に動き出します。家具や家財が残ったままだと、売却の査定でも解体の見積もりでも、その処分費用が上乗せされたり、内覧のときに印象が悪くなったりしやすいからです。

逆に言えば、まだ家の中に物が多く残っている段階なら、先にそこを片付けることが、管理・売却・解体のどれを選ぶにしても最初の一歩になります。遺品整理の全体の流れは遺品整理とは?費用・進め方・業者選びまで流れがわかる完全ガイドで、家財の処分にかかる費用感は不用品回収の費用相場と業者の選び方でまとめています。

親が存命で、これから実家の片付けを始める段階であれば、生前整理の進め方も参考になるはずです。費用の目安とやることは生前整理の費用相場とやることリストにまとめています。

遠方から片付けを手配する場合、1社ずつ問い合わせて見積もりを比べるのは思った以上に手間がかかります。EMEAO!は、依頼内容を伝えると担当のコンシェルジュが条件に合う業者を選んで紹介してくれるサービスで、公式サイトでは利用料無料と案内されています(2026-09-23公式サイト確認)。業者探しの手間を減らしたい場合の選択肢の一つです。

EMEAOの公式サイトはこちら

家財の片付けを自分で比較して業者を選びたい場合は、ぽいみつのような一括見積もりサービスもあります。全国の不用品回収業者にまとめて見積もりを依頼でき、空き家の片付けや遺品整理にも対応しています。見積もり依頼までは無料と案内されています。

ぽいみつの公式サイトはこちら

遺品整理業者を自分で比較して選びたい方は、遺品整理業者おすすめ比較8選も参考にしてみてください。

よくある質問

Q. 空き家のまま何年放置しても大丈夫?

「何年たったらアウト」という年数の基準はありません。空家法の指導や勧告は、年数ではなく、倒壊のおそれや衛生・景観への影響といった家の状態をもとに判断されます。ただ、人が住まない家は年々傷みやすくなるので、放置期間が長いほど状態が悪化しやすいのは確かです。また相続した実家の場合、3,000万円特別控除には「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」という売却期限があるので、売る可能性があるなら早めに検討しておくと選択肢が広がります。

Q. 解体と売却、どちらが得?

一概には言えません。解体して更地にすると売れやすくなる場合がある一方、解体費用がかかり、住宅用地の特例も外れます。古家付きのまま売れる地域なら、解体しないほうが手元に残るお金が多くなることもあります。不動産会社に「古家付き」「更地」の両方で査定を依頼し、解体費用の見積もりとあわせて比べるのが確実です。税金面は税理士への確認をおすすめします。

Q. 遠方に住んでいて頻繁に通えなくても売却はできる?

できます。査定から売買契約までの多くのやり取りは、電話やオンライン、郵送で進められる不動産会社も増えています。鍵を預けて内覧対応を任せる、決済の手続きを司法書士に依頼するなど、現地に行く回数を減らす方法もあります。どこまで遠隔で対応できるかは会社によって違うので、最初の問い合わせで確認しておくとスムーズです。家の中の片付けも遠方から任せたい場合は、遺品整理は立ち会いなしで依頼できる?流れと注意点も参考にしてください。


空き家になった実家は、すぐに結論を出さなくてもかまいません。ただ、何もしないまま時間がたつと、建物の傷みや税金、相続登記の期限など、選べる道が少しずつ狭まっていきます。まずは今の家の状態を確かめること。そのうえで、管理を続けるのか、売るのか、解体するのか、家族で話し合うための材料を少しずつ集めていってください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました